HAB報道特別番組 沈黙の月「寺越事件」忘れられた母子
北陸朝日放送

「寺越事件」は発生から60年が経過。24年後に北朝鮮で生存が判明した息子の武志さんは拉致を否定し、母の友枝さんは拉致という言葉を飲み込んで訪朝を重ねてきた。政治に翻弄されてきた母と息子。世間から忘れ去られようとしている事件を記録し、平壌で撮影された映像や貴重な証言から、拉致被害者とは異なる道を辿った事件の本質や真実に迫る。 16年にわたる取材でこそ描けた老いていく母の姿が痛ましい。取材記録の厚みに圧倒され、伝え続ける責任感を感じる。政治の安直さも浮かび上がらせており秀逸である。