でくのぼう ~戦争とPTSD~
山形放送

山形県鶴岡市出身の黒井秋夫さんが持つ古いビデオテープには、無口で無気力、孫の呼びかけにも応えない生前の父の姿が映る。その死から25年、ベトナム戦争帰還兵の証言に触れ、父もPTSDではなかったかと考える。なぜ兵士たちは心を壊され、戦後の時間まで奪われたのか。いまも苦しむ遺族の姿、現存するカルテを通して戦争の実態に迫る。 PTSDの観点から戦場体験者の深い沈黙に分け入り、その苦しみを解き明かそうとする優れた番組。訓練で行う捕虜の「刺突」という言葉が戦争の残酷を浮き彫りにする。